KPIの役割
KPIという言葉もだいぶ浸透してきていますが、そもそもKPIって何のためにあるのかってずーっと考えてきました。
コンタクトセンターで働いていた時は、朝から晩までKPIに悩まされ、数字、数字の毎日でした。
特にサービスのようなものを評価するには、何らかの見える形にしないといけないので、数字で見せようとしてできたKPI。
放棄率(電話が着信してもオペレータが受けられていない率)、平均応答時間(着信してからオペレータが電話に出るまでの時間)、平均通話時間(一本あたりの通話時間)等々、山ほどのKPIを毎日眺めながら、あーでもない、こーでもないと思いを巡らせていました。
こっちを優先したら、あっちが下がる、ということが日常茶飯事で、バランスをとっていくのも難しかったですね。
KPIを重視するあまり、本来のビジネス目的と乖離してしまうこともありました。
例えば、予想以上のコールが入ってきたときに放棄率を下げるためにやる”スナッチ”というのがあります。
これは、とりあえず電話を受けて要件だけ聞いて、あとで折り返し電話をかけるというやり方です。
一見、KPIだけ見ればよいでしょうが、もしこれで折り返し連絡がつかなかったら?とか最悪電話し忘れたら、ということも発生します。
また、お客様も気が変わってしまうかもしれません。
結果的に顧客満足を落としてしまうリスクがあるのです。これはビジネスにとってマイナスですよね。
また、KPIさえ頭に入れておけばよい、というのも危険な考え方だと思います。
そもそもKPIがビジネスのすべてをカバーしているわけではありません。あくまでも大事な部分に目安を与えているだけです。
ビジネスの変化に従って、追加されるKPIもあるでしょうし、不要になるものだってあるでしょう。
もうひとつ大事なことは、世の中の流れを見て目標値を適宜修正していくことが必要だということですね。
ずっと同じ値にしていたら、周りから取り残されてしまいます。
ただ、こちらもひとつのKPIを見るのではなく、大局を見てバランスを取って、何が一番大事かを考える人が方向付けをしないといけないと思います。